テーマ紹介
「文学小封神」ルートでは、文学界の先達・許丙丁による著作『小封神』の舞台をたどりながら、ユーモラスな視点で台南の民間信仰や歴史文化に触れ、赤嵌エリア周辺の寺廟や神話伝説の魅力を発見していきます。
コース概要:
開基靈祐宮 → 赤嵌楼 → 贔屭碑 → 祀典武廟 → 西社 → 祀典台南大天后宮 → 抽籤巷 → 大井頭 → 帽仔街 → 十字大街 → 雲錦號 → 打銀街 → 萬福庵 → 猴靈樹王公
第一站:開基靈祐宮(かいきれいゆうきゅう)
開基靈祐宮は、明代永暦年間に創建され、何度も改築を経て現在の姿となりました。大正3年(1914年)の修復では地元有志が費用を出し合い、記念碑が残されています。昭和7年(1932年)には学区拡張のため建物の向きを変え、現在は東向きに配置されています。
第二站:赤嵌楼(せきかんろう)
1625年、オランダ人が現台南に上陸し、伝説のような土地取引で「プロヴィンシャ城」を築きました。これが赤嵌楼の前身です。現在の建築は清朝以降に中国様式の殿堂、廟、祠などが加わり、歴史的な重要性から台湾で最初に指定された国家古跡です。
第三站:贔屭碑(ひせいひ)
乾隆皇帝が下賜した珍しい御製碑で、清朝による林爽文の乱平定を記念したものです。碑座となる贔屭は「龍の九子」の一つとされる伝説の動物で、石碑を背負う姿が特徴です。日治時代に再発見され、現在は神として祀られるなど、興味深い運命を辿っています。
第四站:祀典武廟(してんぶびょう)
台南で最も権威ある関帝廟で、清朝から正式な「祀典(国家祭祀)」に指定されていました。由緒ある廟として、都市計画でも信仰の力で道が廟を避けて曲がるほどの影響力を持っています。
第五站:西社(せいしゃ)
祀典武廟内にある文芸の神々を祀る場で、かつて台南に存在した五大詩社の一つ。文人たちが集い、詩作や議論を交わした文化の中心地でもあります。
第六站:祀典台南大天后宮(してんたいなんだいてんごうぐう)
鄭成功が明王朝の王族を迎えた際の旧邸宅を、媽祖を祀る廟に転用したのが始まりです。明代様式を色濃く残す珍しい建築で、清朝以降も皇帝から度々勅額を賜るなど、格式の高い媽祖廟です。
第七站:抽籤巷(ちゅうせんこう)
関帝の籤詩を引いて運勢を占う習慣から生まれた通りで、多くの解籤(解釈)屋が並んでいました。城内外で信仰や文化のスタイルが異なっていたことを象徴するエリアです。
第八站:大井頭(だいせいとう)
明代以前から存在するとされる古井戸で、水質の良さから「大井の水を飲めば、太らずとも美しい」との俗諺が残るほど。地域の生活と歴史を見守ってきた名所です。
第九站:帽仔街(ぼうしがい)
その名の通り、かつて多くの帽子店が軒を連ねた通り。現在の忠義路と永福路の間、民權路南端に位置します。
第十站:十字大街(じゅうじたいがい)
オランダ統治時代から続く市街の中心地で、台南の都市計画の起点となった十字交差点です。鄭氏政権時代には「四坊」に区分され、台南発展の原点とされます。
第十一站:雲錦號(うんきんごう)
江浙出身の機織職人・蔡氏が創業し、当時台湾にはなかった精緻な織物を生み出した店舗です。清朝の皇室婚礼にも納品された記録が残るほどの名声を誇ります。
第十二站:打銀街(ぎんざくがい)
清末から銀細工師たちが集まった通りで、現在の忠義路と民權路にあたります。当時の名残として今も数軒の老舗が営業を続けています。
第十三站:萬福庵(ばんぷくあん)
鄭成功の武将・阮季友の未亡人によって創建された仏教庵で、三宝仏・観音菩薩・斉天大聖を祀っています。台南で最古の「斉天大聖」信仰の発祥地でもあります。
第十四站:猴靈樹王公(こうれいじゅおうこう)
萬福庵の傍にある老榕樹で、枝の瘤がまるで孫悟空の子孫たちのようだとされ、民間では「猴靈樹王公」と親しまれています。その葉は子どもの病気を癒す「お守り薬」として重宝されています。